お祭りや花火大会に行った後に耳に違和感?音響外傷に気をつけて

お祭りや花火大会に行った後に耳に違和感?音響外傷に気をつけて

 
春から夏にかけては、花火大会やお祭りなど、さまざまなイベントが開催される季節で、楽しくてワクワクする機会が増えますよね。ただし、イベント後に「耳がキーンとする」「耳が詰まった感じがする」「痛みを感じる」といった耳の不調を訴える方も少なくありません。これらの症状は、「音響外傷」と呼ばれる状態が原因となっていることがあります。今回は、その「音響外傷」への対処法と、耳を守りながらイベントを楽しむためのポイントをご紹介します。

音響外傷とその対処法

音響外傷とは?お祭りやイベントで注意したい耳のトラブル

音響外傷とは、非常に大きな音を耳にした際に、内耳にある「音を感じ取る細胞」がダメージを受けて起こる障害のことです。以下のような症状が現れることがあり、片耳・両耳どちらにも生じる可能性があります。

  • 耳に痛みを感じる

  • 耳が詰まったように感じる

  • 自分の声がこもって聞こえる(耳の中で響くような感じ)

  • 耳鳴りがする

  • 音が聞こえづらくなる(難聴)

このような音響外傷の多くは一時的なもので、数日(2~3日)経過すれば自然に回復することもあります。ただし、耳鳴りや難聴がなかなか改善しない場合は、できるだけ早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。また、たとえ一時的に回復しても、同じような強い音に繰り返しさらされることで、聴力が恒久的に低下してしまうケースもあるため注意が必要です。

お祭りやイベントで気をつけたい「騒音」

花火の爆発音、太鼓の大音量、ライブ会場のスピーカー音など、お祭りやイベントでは耳に強い刺激となる音が多く存在します。そうした場では、できるだけスピーカーの近くを避ける、耳栓を活用するなど、耳を守る工夫をすることで音響外傷のリスクを減らすことができます。

 

イベント会場での音楽やアナウンス、太鼓やお囃子の音、花火が破裂する音は、思っている以上に耳への負担となります。

 

耳を害する騒音の音量はどれぐらい?
音の大きさはデシベル(dB)という単位で測定します。通常の会話は60 dB程度です。それより大きい85~100 dBの音は、6~8時間連続して聞くと、耳を傷める可能性が高くなります。さらに大きい110 dB以上の音は、レベルによっては数分も経たないうちに耳を傷めてしまいます。

●イベント会場、特にロックコンサートは場所によって、100dBを超える場合がよくあります。
●花火大会は、打ち上げ地点から700m程度離れた地点で約110dBを計測したというデータがあります。

 

 耳を守って楽しむ方法

大きな音の中でも、耳を守りながら楽しく過ごすために

イベントやお祭りを心から楽しむためには、耳をしっかり守ることが大切です。大音量の環境でも、ちょっとした工夫で耳への負担を減らすことができます。

① 音の出どころから距離をとる

大きな音は、発生源から離れるほど小さくなります。音楽フェスや花火大会などでは、スピーカーや打ち上げ場所の近くに長時間いると耳に負担がかかります。音が大きすぎると感じたら、すぐに距離をとるようにしましょう。

特に花火大会では、打ち上げ地点から少し離れることで、迫力を楽しみつつ耳を守ることができます。

② 耳せんを上手に使う

耳を保護するために、耳栓の使用も効果的です。最近では、ライブや音楽イベント用の耳栓も多く販売されており、大音量から耳を守りながら、音楽もしっかり楽しめる設計になっています。特に高音域を抑えることで、音質を損なわずに耳を保護することが可能です。

「耳栓をすると音が楽しめなくなるのでは?」と心配な方も、一度ライブ用耳栓を試してみると、意外と違和感が少なく快適に楽しめることがわかるかもしれません。

③ 耳を休ませる時間をつくる

大きな音を聞いた後は、耳をしっかり休ませることが大切です。たとえば、花火大会の直後にイヤホンで音楽を聴くのは避けたり、翌日は静かな環境で過ごしたりして、耳への負担を軽減しましょう。


聞こえのケアも、楽しさの一部です

騒がしい場所で会話が聞き取りにくい方へ

難聴があると、周囲の音が多い場所での会話が難しくなりがちです。でも、イベントの時間を楽しみながら、周りの人と交流したいですよね。

最近の補聴器には、騒音下でも会話を聞き取りやすくする機能が搭載されています。たとえば、**シグニア補聴器の最新モデル「Signia IXシリーズ」**は、業界初の「ロックオン」機能を搭載。複数人と会話していても、話している相手の声を自動的に追いかけて、雑音を抑えつつ、より自然に会話ができるようにサポートします。

この補聴器は、1秒間に膨大な情報を処理して、動く相手の声にも即座に対応。騒がしいイベント会場でも、しっかりと聞き取りを助けてくれます。

出典:WSオーディオロジーグループ調べ(2023年8月時点)


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大きな音を大きくしすぎない補聴器のかしこい技術

「補聴器は音を大きくするものだから、大音量の環境ではさらに音がうるさく聞こえるのでは?」と思われるかもしれません。でも、ご安心ください。最近の補聴器には、大きすぎる音をそのまま増幅しない仕組みが備わっています。

補聴器は、周囲の音を瞬時に分析し、耳に負担がかかるほどの大きな音は自動で音量を調整してくれます。そのため、日常の騒がしい環境でも、快適に使えるよう工夫されているのです。

とはいえ、たとえばライブ会場など100dBを超えるような大音量の場所では、補聴器を使うと耳に過度な負担がかかる可能性があります。こうした場合は、補聴器を外して耳栓を使用するほうが安全です。耳を守るためにも、状況に応じて使い分けることが大切です。


お出かけ先でも、耳の健康を意識して

夏祭りや花火大会、音楽フェスなど、楽しいイベントが増える季節。どうしても大きな音にさらされる機会が多くなりますよね。でも、楽しい時間を過ごしながら、耳を守ることも十分に可能です。

イベント後に「いつもと聞こえ方が違う」「耳が痛い」「音がこもるように感じる」などの違和感がある場合は、我慢せず、できるだけ早く耳鼻科を受診することをおすすめします。耳の健康は、早めの対処がカギになります。