
食生活と健康の関係
季節に合わせて体に良い食材を適切に食べるというのは、先人の知恵ですね。言うまでもなく、健康維持のために必要な栄養素等をバランス良く摂取するのは、大切なことです。耳の健康を考える時も、まずは体全体にとって健康的な食事を採るべきです。
「まごわやさしい」ということばを聞いたことがありませんか?栄養バランスの良い食生活を送るための7つの食材の頭文字から作られたことばです。
これらの食材を食事に取り入れることで、健康の保持のサポートができます。
ま:豆(大豆、小豆、枝豆、黒豆、油揚げ、など)
ご:ごま(白/黒/金、すりごま、ごま油、栗、など)
わ:わかめ(わかめ、こんぶ、のりなどの海藻類)
や:野菜(大根、ほうれん草、ピーマン、トマト、多くの野菜類)
さ:魚(タイ、カツオ、ブリ、アジ、など)
し:しいたけ-キノコ(しいたけ、エリンギ、舞茸、など)
い:いも(じゃがいも、さつまいいも、里いも、など)
近年、生活習慣病の増加が深刻な問題となってきており、偏った食生活で栄養過剰になってしまう例も多いとのことです。さらに運動不足、過度の飲酒、喫煙等の習慣で、体がダメージを受けるとされています。
また反対に、ダイエットなどで食事を過度に制限すると、低栄養状態になることもあります。血管の壁がもろくなったり、ウイルスに対する抵抗力が衰えたり、体力が低下して老化のスピードを早めたり、などの症状が出ます。
食生活は健康のもとです。ぜひ定期的に見直ししましょう。厚生労働省・農林水産省が推奨する「食事バランスガイド」というものがあります。紹介した「まごわやさしい」と共に、「何をどれだけ食べればよいか」の参考のために、ぜひ一度ご確認ください。
耳は体の一部ですから、もちろん食生活や栄養状態の影響を受けます。食事と難聴の関係については様々な研究が進められています。アメリカのブリガム・アンド・ウイメンズ病院は、1991年から20年以上、食事と難聴の関係性を調査し続けています。結果として「健康的な食事の摂取は、難聴のリスク減にも役立つ可能性がある」とのことです。
※出典『米国疫学雑誌』
耳は非常に繊細な器官です。音を伝える仕組みの中には「有毛細胞」という、音を感じ取るための特殊な細胞があります。これらの有毛細胞は一度傷つくと再生することができません。さらに、片耳に存在する有毛細胞は約15,000個しかありません。一方、光を感知する細胞も再生しない点では同様ですが、片目には約1億個の光感受性細胞があります。つまり、有毛細胞が一つ傷つくと、その影響は非常に大きいのです。
食事での難聴予防について
